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相続人が誰もいないとき~相続財産清算人選任

相続人が誰もいないとき

相続人が誰もいない、または、相続人の全員が相続放棄をして相続人がいなくなった場合、その方の財産はどうなるのでしょうか?


まず、家庭裁判所に「相続財産清算人」を選任してもらい、債権者を探して弁済がなされ、特別縁故者がいればその人に財産を分与し、最終的に残った財産は国庫へ帰属します。

 

ただし、最終的に残った財産が共有財産であった場合については、国庫には帰属せずに、他の共有者に帰属します。

たとえば、自宅の土地・建物は単独所有だけども、前面道路については他の近所の人との共有だった場合、自宅の土地・建物は国庫に帰属しますが、前面道路の共有持分については、他の共有者に帰属します。

相続財産清算人と相続財産管理人の違い

令和5年4月1日施行の民法改正によって、従来の「相続財産管理人」は「相続財産清算人名称変更されました。

この法改正によって、従来の3回の官報公告についても、同時や並行して行えるよう改正され、権利関係の確定に最低必要な期間が、10カ月から6か月に短縮されました。
 

そして、新たに相続財産の保存行為を行う「相続財産管理人」という制度ができました。(民法第897条の2新設)
 

改正民法の相続財産管理人が行うことができるのは、
保存行為
②性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
です。

 

 

 

民法
(相続財産の保存)
第八百九十七条の二 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存 に必要な処分を命ずることができる。ただし、相続人が一人である場合においてその相続人が相続の単純承認をしたとき、相続人が数人 ある場合において遺産の全部の分割がされたとき、又は第九百五十二条第一項の規定により相続財産の清算人が選任されているときは、 この限りでない。

 

相続財産清算人選任の申立て

利害関係人が、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所に「相続財産清算人選任の申立」を行います。

 

申立には、相続財産清算人報酬や手続費用として、予納金が100万円ほどかかる場合も多いです。

 

1⃣ 申立人

  • 利害関係人(被相続人の債権者、特定遺贈を受けた人、特別縁故者、など)
  • 検察官

 

2⃣ 申立先

  • 被相続人の最後の住所地の家庭裁判所

 

3⃣ 申立費用

  • 収入印紙800円(申立書に貼付)
  • 郵便切手(申立てをする家庭裁判所にお聞きください)
  • 官報公告費5,075円(家庭裁判所から納付書が来てから納めます)
  • 予納金
    (相続財産の内容から、相続財産清算人の報酬や手続費用等に不足する可能性がある場合に、家庭裁判所が定めた額の予納金を、申立人は納付しなければなりません。なお、最終的に余った予納金の残金は申立人に返還されます。)

 

4⃣ 申立の必要書類

  • 申立書
  • 被相続人の生誕から死亡までのすべての戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 被相続人の父と母の、生誕から死亡までのすべての戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の生誕から死亡までのすべての戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 被相続人の兄弟姉妹で死亡している方がいる場合、その兄弟姉妹の生誕から死亡までのすべての戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 代襲者としての甥・姪で死亡している方がいる場合、その甥・姪の死亡の記載のある戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 相続人で相続放棄をした方がいる場合、その方の戸籍謄本と相続放棄申述受理証明書
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 財産に関する資料(不動産登記事項証明書、預貯金通帳のコピー、有価証券残高証明書、等)
  • 利害関係人からの申立の場合、利害関係を証する資料(金銭消費貸借契約書コピー、等)
  • 相続財産清算人の候補者がある場合には、その住民票または戸籍附票

※同じ書類は、1通で足ります。

相続財産清算手続きの流れ

相続財産清算手続きの流れについてご説明します。

官報への公告は、家庭裁判所による公告と、相続財産清算人による公告との2種類の公告がなされます。

 

  • 1
    相続財産清算人の選任
    家庭裁判所は、申立てがされてから2カ月以内程度で相続財産清算人選任の審判をします。


     
  • 2
    家庭裁判所による公告
    「選任・相続人捜索の公告」
    家庭裁判所は、相続財産清算人が選任されたこと、及び、相続人があるならばその権利を主張すべき旨の官報公告をします。
    (公告期間:6カ月以上)

     
  • 3
    相続財産清算人による公告
    「請求申出の公告」

    相続財産清算人は、相続財産の債権者・受遺者に請求の申出をすべき旨の公告をします。
    公告期間:2カ月以上


    なお、この公告は、上記の相続人捜索の公告期間内に満了するものでなければなりません。
     
      
  • 4
    債権者等への弁済
    相続財産清算人は、請求申出公告期間満了後、相続債権者・受遺者に弁済を行います。


     
  • 5
    特別縁故者への財産分与
    相続人捜索の公告期間満了までに相続人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。
    相続人捜索の公告期間満了後、3か月以内に、特別縁故者は、家庭裁判所に財産分与の申立を行います。


    特別縁故者というのは、生計を同じくしていた者(長年連れ添った内縁の妻など)や、療養看護に努めた者など、被相続人と特別な縁故があった人のことです。


    家庭裁判所は、特別縁故者に分与するか否か、また、分与する財産の額などを審判します。

    財産分与の審判が確定すると、相続財産清算人は、特別縁故者に財産を分与します。

     
  • 残余財産の国庫帰属
    相続財産清算人は、報酬付与の申立を行い、家庭裁判所が決定した報酬を受領し、予納金に残余財産があれば、申立人に還付されます。

    予納金の還付後、なお残余財産があった場合、相続財産清算人は国庫に帰属させる手続きを行い、相続財産清算の業務が終了します。

    なお、共有持分の財産については、国庫には帰属せずに、他の共有者に帰属します。





    民法
    (相続財産の清算人の選任)
    第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。
    2 前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその 権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない

    (不在者の財産の管理人に関する規定の準用)
    第九百五十三条 第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の清算人(以下この章において単に「相続財産の清算 人」という。)について準用する。

    (相続財産の清算人の報告)
    第九百五十四条 相続財産の清算人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産の状況を報告しなければ ならない。

    (相続財産法人の不成立)
    第九百五十五条 相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、相続財産 の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。

    (相続財産の清算人の代理権の消滅)
    第九百五十六条 相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。
    2 前項の場合には、相続財産の清算人は、遅滞なく相続人に対して清算に係る計算をしなければならない。 

    (相続債権者及び受遺者に対する弁済)
    第九百五十七条 第九百五十二条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺者に対し、二箇月以上の 期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、同項の規定により 相続人が権利を主張すべき期間として家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない。
    2 第九百二十七条第二項から第四項まで及び第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)の規定は、前 項の場合について準用する。

    (権利を主張する者がない場合)
    第九百五十八条 第九百五十二条第二項の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに相続財産の清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。

    (特別縁故者に対する相続財産の分与)
    第九百五十八条の二 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看 護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与え ることができる。
    2 前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

    (残余財産の国庫への帰属)
    第九百五十九条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を 準用する。 

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