( 租税特別措置法41条の4の2、租税特別措置法施行令26条の6の2④)
身上監護とは、身の周りの手続きや契約を行うことです。
具体的には、施設の入退所の契約、治療や入院等の手続き、介護に関する契約などです。
民事信託(家族信託)には、身上監護権がないので、信託業務としては、施設入所契約などはできません。
しかし、信託業務としてではなく、「ご家族の立場として」そういった契約をすることは可能です。
身上監護権がないのが問題となってくるのは、ご家族がなく、たとえば友人と民事信託契約をして、財産を友人に託した時です。
友人は、財産管理はできますが、施設入所手続き等はできません。
ご本人に判断能力がある時は、自分で施設入所手続きができますが、認知症で判断能力がなくなっていると、施設入所手続きをしてくれる人がいません。
その場合は、別途、成年後見制度を利用する必要があります。
民事信託(家族信託)は、自分の財産を安心して信頼できる人に託す制度なので、信頼できる人がいないことには、できません。
受託者が死亡した場合の後継を考え、できれば複数の受託者の確保が望まれます。
民事信託(家族信託)には、家庭裁判所の監督といった、公的機関の監督がありません。
財産を託した相手が、きちんと管理してくれるか心配だという方もおられます。
その対策としては、信託監督人や受益者代理人を置くことで、監督機能を強化することが出来ます。