〒542-0012 大阪府大阪市中央区谷町7丁目4番31号 大南ビル2階
大阪メトロ谷町線「谷町六丁目駅」4番出口より徒歩3分)

受付時間

9:00~17:00
定休日:土曜・日曜・祝日
(※事前予約で対応可能です)

お気軽にお問合せ・ご相談ください

06-6777-6866

抵当権の債務者相続

抵当権の債務者相続

不動産に抵当権が設定されていて、債務者(お金を借りた人)が亡くなった場合、債務残高が残っているときは、抵当権変更(債務者の相続の登記申請が必要となります。

 

民法上、債務は、法定相続人全員が法定相続分によって承継します。

しかし、債権者(金融機関)は、法定相続人の誰か一人に債務を承継してほしい、と言うことが多いです。

抵当権変更登記申請の2つのやり方

抵当権の債務者を、相続人の一人に変更する抵当権変更登記のやり方には、2通りのやり方があります。


どちらの方法によるかは、債権者(金融機関)から指定されることが多いです。


 

1つ目のやり方:遺産分割協議による方法》

債権者(金融機関)の承諾を得て、遺産分割協議によって相続人の一人が債務を承継する、抵当権変更登記のやり方です。

登記申請書は、1件ですみます。

 

《2つ目のやり方:免責的債務引受による方法

①相続を原因として、債務者を共同相続人全員に変更する抵当権変更登記を行い、その次に、②相続人の一人が免責的債務引受を行ったことによる抵当権変更登記を行うやり方です。

登記申請書は、2件必要です。
 

 

では、詳しく見ていきましょう。

遺産分割協議による方法

「債務は、相続人全員が法定相続分によって承継し、遺産分割協議の対象とはならない」とされていますが、これは債権者保護を考えてのことなので、債権者が承諾するのであれば、債務の遺産分割協議も有効にすることができます。
 

遺産分割協議の効果は相続開始時にさかのぼるため(民法第909条)、債務を引き受けた相続人は、被相続人の死亡日にさかのぼって債務を承継することになります。

 

抵当権変更登記申請のやり方ですが、「〇年〇月〇日相続」を原因として、1件の登記申請によって、債務者を特定の一人の相続人に変更できます。

「〇年〇月〇日相続」の日付は、被相続人の死亡日です。

「変更後の事項」は、「債務者」として、債務を承継することになった相続人の住所氏名を記載します。

 

登記申請の添付書類としては、報告形式の登記原因証明情報があれば、相続を証する戸籍謄本や遺産分割協議書の添付は必要ありません。

 

免責的債務引受による方法

免責的債務引受によって、抵当権の債務者を相続人の一人に変更するには、抵当権変更登記申請を2件申請しなければなりません。

1件目の抵当権変更登記申請で、「〇年〇月〇日 相続」を原因として、債務者を相続人全員(ABC)に変更します。

2件目の抵当権変更登記申請で、「〇年〇月〇日 B及びCの債務引受」を原因として、債務者をAに変更します。
 

 

※なお、2件目の免責的債務引受については、債権法改正により、法務省より通達(令和2年3月31日付法務省民二第328号)が出ていますのでご注意ください。

 

 

 《令和2年3月31日付法務省民二第328号 抜粋》

第1 不動産登記に関連する改正の概要

P.5

10  債務引受債務者が負担する債務と同一の内容の債務を第三者が負担することとする制度である債務引受について,第三者が債務を負担した後も元の債務者が引き続き債務を負担する「併存的債務引受」と,第三者が債務を負担した後は元の債務者がその債務を免れることになる「免責的債務引受」とに分けて,以下のとおり,基本的な要件等を定めた規定が新設された(新法 第470条から第472条の4まで)。
 (1) 併存的債務引受
併存的債務引受は,債権者と引受人との契約又は債務者と引受人との 契約によって成立することとされた(新法第470条第2項,第3項前 段)。その上で,債務者と引受人との契約によって成立する併存的債務引受については,債権者が引受人に対して承諾をした時に,効力を生ずることとされた(同項後段)。
 (2) 免責的債務引受
免責的債務引受は,債権者と引受人との契約により,又は債務者と引受人との契約及び債権者の引受人に対する承諾によって成立することと された(新法第472条第2項前段,第3項)。その上で,債権者と引受人との契約によって成立する免責的債務引受については,債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に,効力を生ずることとさ れた(同条第2項後段)。
また,債務者が免れる債務の担保として設定されていた担保権につい ては,債権者があらかじめ又は同時に引受人に対する意思表示をすることによって,引受人が負担する債務に移すことができることとされた(新 法第472条の4第1項本文,第2項)。ただし,引受人以外の者が設 定者である場合には,その承諾を得なければならないこととされた(同 条第1項ただし書)。

 

第2 改正に伴う不動産登記事務の取扱いについて

P.14

(2) 免責的債務引受
上記第1の10(2)のとおり,改正法により,免責的債務引受の基本的 な要件等が定められた。
免責的債務引受に伴い,旧債務者が負担する債務の担保として設定された担保権の被担保債権を新債務に移転するときにおける担保権の変更 の登記の申請において提供すべき登記原因証明情報は,新法において定められた免責的債務引受及びこれに伴う担保権の移転の要件を満たすことを証するものでなければならない。具体的には,債権者と引受人との 契約による免責的債務引受である場合にはその契約の成立及び債権者に よる旧債務者への通知(新法第472条第2項)があったことを,債務者と引受人との契約による免責的債務引受である場合にはその契約の成 立及び債権者の承諾(同条第3項)があったことを,それぞれ証するも のでなければならない。また,いずれの場合にも,担保権の移転についての債権者の意思表示(新法第472条の4第2項)があったことを証 するものでなければならず,これらに加えて,担保権の設定者が引受人 以外の者である場合には,その設定者の承諾(同条第1項)があったことを証するものでなければならない。
なお,その担保権の変更の登記の登記原因は,従来どおり「免責的債務引受」となる。また,新法において,担保権の移転についての債権者の意思表示は,担保の移転の有無について不確定な状態が存続することのないよう,免責的債務引受の効力発生以前にすることとされており(同 条第2項),担保権の設定者が引受人以外の者である場合のその設定者の承諾も,免責的債務引受の効力発生以前にされるべきものである。し たがって,その担保権の変更の登記の登記原因の日付は,契約の当事者 の別段の意思表示のない限り,債権者と引受人との契約による免責的債務引受である場合には債権者による通知の到達日(新法第472条第2 項参照),債務者と引受人との契約による免責的債務引受である場合に は債権者の承諾の日(同条第3項参照)となる。 
 

関連するページのご紹介

こちらのページを読んだ方には、下記のページもよく読まれています。ぜひご一読ください。
※下記のリンクから、本ページと関連するページのリンクを設定してください。

お気軽にお問合せください

司法書士    浅井由喜 です  
お電話でのお問合せはこちら
06-6777-6866
受付時間
9:00~17:00
定休日
土曜・日曜・祝日
(※事前予約で対応可能です)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

06-6777-6866

フォームでのお問合せ・相談予約は24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2024/4/24

「お役立ち情報」を追加しました。
2020/12/01
ホームページを公開しました。

あさい司法書士・行政書士
事務所

住所

〒542-0012 大阪府大阪市中央区谷町7丁目4番31号 大南ビル2階

アクセス

大阪メトロ谷町線「谷町六丁目駅」4番出口より徒歩3分/駐車場:隣と斜め前にコインパーキングあり

受付時間

9:00~17:00

定休日

土曜・日曜・祝日(※事前予約で対応可能です)