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相続人が行方不明②~不動産の持分取得・譲渡

行方不明共有者の持分取得

民法改正によって2023年4月1日より、相続不動産の相続人の中に行方不明者がいる場合、相続開始から10年経過した時に限り、他の相続人が、行方不明者の持分を取得できるようになりました。

 

今までも、相続人の中に行方不明者がいた場合、相続人全員の法定相続分による共有にする相続登記はできました。

しかし、その共有状態を解消するためには、不在者財産管理人の選任を行い、遺産分割協議を行う必要がありました。
不在者財産管理人の選任には、裁判所への予納金が100万円ほどかかることもありました。

そのため、行方不明者がいる場合には、相続登記をせずに放っておかれることが多かったのです。

 

今回の民法改正により、相続した共有状態の不動産について、相続開始から10年を経過したときに限り、地方裁判所に申立て、その決定を得て、行方不明相続人の持分の時価相当額の金銭を供託した上で、他の共有者は行方不明相続人の持分を取得できることになりました。(改正民法262条の2)
 

まとめると、次のようになります。

①相続した共有状態の不動産について
②相続開始から10年経過したとき
③地方裁判所に申立て・決定を得て
④行方不明者の持分の時価相当額を金銭で供託する
ことによって、他の共有者がその持分を取得できます。

相続によらない共有の場合

相続した不動産のとき(遺産共有のとき)には10年経過の要件がありますが、相続した不動産でない(遺産共有でない)共有不動産については、10年経過の要件はありません。

共有不動産について、所在不明の共有者がいる場合、他の共有者は、地方裁判所に申立て、その決定を得て、行方不明共有者の持分の時価相当額の金銭を供託した上で、その持分を取得できます。

まとめると、次のようになります。

①共有状態の不動産について
②地方裁判所に申立て・決定を得て
③行方不明者の持分の時価相当額を金銭で供託する
ことによって、他の共有者がその持分を取得できます。

行方不明共有者の持分譲渡

相続不動産の共有者の中に行方不明者がいる場合、その共有状態の不動産について、相続開始から10年を経過したときに限り、地方裁判所に申立て、その決定を得て、行方不明共有者の持分に応じた時価相当額の金銭を供託して、他の共有者全員は行方不明共有者の持分を含めて不動産全体を第三者に譲渡できることになりました。(改正民法262条の3)

 

こちらは、行方不明者の持分も含めて、不動産全体を売却できる、というものです。
一旦、他の共有者が行方不明者の持分を取得した後に売却するのは迂遠なため、
行方不明者の持分も含めて売却ができるようにされました。

 

まとめると、次のようになります。

①相続した共有状態の不動産について
②相続開始から10年経過したとき
③地方裁判所に申立て・決定を得て
④行方不明者の持分の時価相当額を金銭で供託する
ことによって、他の共有者は、不動産全体を第三者に譲渡できます。

 

 

なお、相続した不動産でない(遺産共有でない)共有不動産については、10年経過の要件はありません。

共有不動産について、所在不明の共有者がいる場合、他の共有者は、地方裁判所に申立て、その決定を得て、行方不明共有者の持分の時価相当額の金銭を供託した上で、不動産全体を第三者に譲渡できます。

 

 

 

《改正民法》 

(所在等不明共有者の持分の取得)

第二百六十二条の二 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で按分してそれぞれ取得させる。

 前項の請求があった持分に係る不動産について第二百五十八条第一項の規定による請求又は遺産の分割の請求があり、かつ、所在等不明共有者以外の共有者が前項の請求を受けた裁判所に同項の裁判をすることについて異議がある旨の届出をしたときは、裁判所は、同項の裁判をすることができない。

 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、第一項の裁判をすることができない。

 第一項の規定により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共有者は、当該共有者に対し、当該共有者が取得した持分の時価相当額の支払を請求することができる。

 前各項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。

 

(所在等不明共有者の持分の譲渡)

第二百六十二条の三 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。

 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、前項の裁判をすることができない。

 第一項の裁判により付与された権限に基づき共有者が所在等不明共有者の持分を第三者に譲渡したときは、所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる。

 前三項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。

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