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「供託」による古い抵当権の抹消

古い抵当権(休眠担保権)の単独抹消

 抵当権抹消登記は、不動産所有者と抵当権者との共同申請で行うのが原則です。

しかし、古い抵当権(休眠担保権)の場合、抵当権者(債権者)が行方不明の場合があります。


抵当権者が行方不明の場合不動産所有者が単独申請できる4つの方法があります。

(1)弁済証書による抹消方法

2)供託による抹消方法

(3)除権決定による抹消方法

(4)判決による抹消方法

 

 

このページでは、上記の(2)供託による抹消方法について詳しく説明いたします。
(➡「供託について」はこちらへ

 

 

 

※なお、2023年4月1日の不動産登記法改正により、
供託金なしでの担保権の単独抹消」という方法ができました。
詳しくは、こちらへ

 

 

供託による抹消方法

抵当権者が行方不明の場合に、
『弁済期から20年を経過し、かつ、その期間を経過した後に債権額・利息・損害金の全額を供託する』
ことによって、不動産所有者が単独で抵当権抹消登記をすることができます。

明治・大正時代などの古い抵当権の場合は、債権額が金50円などと低いので、利息・損害金を合わせても供託金額が低くてすむので、裁判手続きよりも供託によって抵当権抹消登記をする方が費用が少なくてすみます。

 

要件は、
①抵当権者が行方不明
弁済期から20年が経過
③弁済期から20年が経過した後に、債権額・利息・損害金の全額を供託
することです。

 

 

抵当権抹消登記の登記申請の必要書類としては、「供託書正本」「行方不明を証する書面」「弁済期を証する書面」です。

抹消登記の登記原因は「弁済」、その日付は供託の効力の生じた日です。

 

「弁済期を証する書面」について

(1)昭和39年3月31日以前に登記された抵当権の場合

不動産登記法の一部を改正する法律(昭和39年法律第18号)(昭和39年4月1日施行)によって改正されるまでは、担保権の登記をする場合において、弁済期の定めがあるときはこれを登記事項として記載すべきものとされていました。
 

したがいまして、昭和39年3月31日以前に登記された抵当権については、閉鎖登記簿謄本を取得して、これを弁済期を証する書面として提出します。

 

なお、当該登記が当初から債権の弁済期の記載がないときは、債権成立の日(登記に債権の成立の年月日の記載がない場合は、その担保権の設定の日)を債権の弁済期とします。
 

 

(2)昭和39年4月1日以後に登記された抵当権の場合

金銭消費貸借契約書、弁済猶予証書等、当事者間で作成したものがあれば、それを提出します。

これらの書面が当初から存在せず、または、これを提出することができないときは、弁済期についての債務者の上申書(債務者の印鑑証明書を添付したもの)を提出します。

 

(3)根抵当権の場合

根抵当権の場合は、被担保債権の弁済期は、「元本の確定の日」とみなすとされました。

この場合、元本の確定の日は、元本確定の登記があるとき、または、登記簿上元本が確定したことが明らかであるときは、その記載により、それ以外の場合には、当該担保権の設定の日から3年を経過した日を元本の確定の日とみなすとされました。

 

債権額・利息・損害金の全額

債権額・利息・損害金の全額を供託します。
 

「供託金額」は、債権額(元本)に利息と損害金を足した合計額です

合計額が何円何銭となった場合には、1円未満の位を四捨五入して1円単位とします。
 

 

「利息」とは、債権成立の日から弁済期までの利息の合計額です。

利息の合計額=元金額×利率×債権成立の日から弁済期までの期間

 

「損害金」とは、弁済期の翌日から供託日までの損害金の合計額です。

損害金の合計額=元金額×利率×弁済期の翌日から供託の日までの期間

 

 

 


(1)登記簿に利息または損害金に関する定めの「記載がある」抵当権の場合

登記簿に利息、損害金の定めの登記があるときは、その率によります。

 

 

(2)登記簿に利息または損害金に関する定めの「記載がない」抵当権の場合

①当該登記に利息に関する定め、損害金に関する定めのいずれの記載もないときは、年6分の割合による利息及び損害金に相当する金銭をも供託します。
 

②当該登記に損害金に関する定めの記載はないが、利息に関する定めの記載があるときは、その利率による利息及び損害金に相当する金銭をも供託します。
 

③当該登記に損害金に関する定めのみの記載があるときは、年6分の割合による利息及び定められた利率による損害金に相当する金銭をも供託します。
 

④当該登記に損害金に関する定めがなく、利息については「無利息」とある場合は、利息は無利息、損害金は年6分の割合による金銭をも供託します。

 

以上を下記にまとめます。

 不動産登記簿 利息 損害金

①利息も損害金もいずれも記載がな  い場合

年6% 年6%
②損害金の記載はないが、
利息の定めの記載がある場合
利息の利率  利息の利率 
③損害金の記載のみがある場合 年6% 損害金の利率 
④損害金の記載はないが、
利息は「無利息」との記載がある場合
無利息 年6%

 

(3)根抵当権で、利息または損害金に関する定めの「記載がある」場合

当該登記に利息および損害金に関する定めの「記載がある」ときは、極度額並びにこれに対する登記簿に記載された率による当該担保権設定の日から元本確定の日までの利息及びその翌日以降の損害金の全額を供託します。

 

(4)根抵当権で、利息または損害金に関する定めの「記載がない」場合

当該登記に利息または損害金に関する定めの「記載がない」ときは、極度額に相当する金銭のほか、上記(2)に従い利息及び損害金に相当する金銭をも供託します。

 不動産登記簿 利息 損害金

①利息も損害金もいずれも記載がな  い場合

年6% 年6%
②損害金の記載はないが、
利息の定めの記載がある場合
利息の利率  利息の利率 
③損害金の記載のみがある場合 年6% 損害金の利率 
④損害金の記載はないが、
利息は「無利息」との記載がある場合
無利息 年6%

供託書の記載について

「法令条項」欄は、民法494条による弁済供託なので、「民法第494条」と記載します。

 

「供託の原因たる事実」欄は、供託金額の内訳や、登記簿に記載されている抵当権の内容等を詳しく記載します。

 

下記に「供託の原因たる事実」欄の記載例をのせます。
 

【供託の原因たる事実】記載例

「供託の原因たる事実」

○○県○○郡○○村大字○○6番戸 山田太郎は、大正8年1月25日被供託者から金246円50銭を、弁済期 大正22年5月25日まで毎年5月、11月の各25日に金8円50銭宛29度に弁済の旨の約定にて借り受け、この担保のため、大正8年1月25日下記抵当権を設定し、○○法務局大正8年1月29日受付第○○号をもって設定登記をなした。
 供託者は、この債務について、令和6年9月26日、元金246円50銭及びこれに対する大正8年1月25日から昭和8年5月25日までの利息金108.4596円並びに大正8年5月26日から令和6年9月26日までの遅延損害金1454.4179円合計金1809円を債務履行地である被供託者の住所地にて弁済しようとしたが、被供託者は数年来その所在が不明であるため受領することができないので供託する。
 
              記

抵当権者           被供託者 

抵当権設定者兼債務者 山田太郎

抵当権の目的物    ○○郡○○町○○字○○1234番1  
           畑  303平方メートル

登記簿上の順位    乙区 1番   

債権額        246円50銭

利息 遅延損害金   定めなし

 

「供託により消滅すべき質権又は抵当権」欄は、「供託の原因たる事実中に記載した抵当権」と記載します。
 

「備考」欄には、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第3条第1項による。」と記載します。

 

 休眠担保権抹消の手続費用

内  容 司法書士報酬 実費
金銭を供託して休眠担保権抹消

18万円
(税込198,000円)

担保権者の調査費用
供託金・印紙代
交通費・
郵送料

裁判手続きをして休眠担保権抹消

30万円
(税込330,000円)

担保権者の調査費用
印紙代
交通費・
郵送料

※事件の難易度や複雑さによっては報酬が加算されることがあります。

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