〒542-0012 大阪府大阪市中央区谷町7丁目4番31号 大南ビル2階
大阪メトロ谷町線「谷町六丁目駅」4番出口より徒歩3分)

受付時間

9:00~17:00
定休日:土曜・日曜・祝日
(※事前予約で対応可能です)

お気軽にお問合せ・ご相談ください

06-6777-6866

農地の相続

農地の相続

田や畑などの農地については農地法が適用されるので、農地の譲渡や変更についてはいろいろと制限があります。
 

しかし、農地の相続については制限がなく、事前の許可などは不要です。

農地の相続登記をした後に、農業委員会に届出るだけでいいです。
 

届出用紙は、農業委員会でもらえるので、その用紙に誰がどの農地を相続したか等の記載をして、相続登記後の登記簿謄本などの必要書類を添付して、農業委員会に提出するだけでいいです。

農地法とは

農地法とは、農地を守るための法律です。

田や畑などの農地について、所有権を移転したり、農地以外の地目に変更したりするには、農地法の許可や届出が必要となります。
 

なお、農地に該当するかは、現況によって判断することになっています。登記簿上は「宅地」でも、現況が「農地」であれば、農地法の許可や届出が必要となります。

また、現況が「宅地」で、登記簿上が「農地」のときも、実務上、登記手続きには農地法の許可や届出が必要となります。
 

 

農地法第3条とは、農地を農地のまま売却、農地に賃借権を設定、などをする場合には、農業委員会の許可が必要、というものです。

 

農地法第4条とは、農地を農地以外に転用する場合、たとえば農地上に住宅を建てるため、農地を宅地にする場合には、都道府県知事等の許可(市街化区域の場合には農業委員会への届出)が必要、というものです。

 

農地法第5条とは、農地を農地以外に転用するために売却などする場合、たとえば農地を買った人が宅地に変更して住宅を建てる場合には、都道府県知事等の許可(市街化区域の場合には農業委員会への届出)が必要、というものです。

 

農地法第3条
農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用 及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなけれ ばならない。

農地法第4条
農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の 実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道 府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。

農地法第5条
農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にする ため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けな ければならない。

 

農地法を以下にまとめます。

  内  容 許可権者

許可や届出をせずに行うと…

農地法第3条

農地を農地のまま売却、等

(権利移転)

農業委員会の許可

権利移転の契約が無効となる。

3年以下の懲役または300万円以下の罰金

農地法第4条 農地を農地以外にする(転用)

都道府県知事の許可

市街化区域は農業委員会への届出

原状回復命令

3年以下の懲役または300万円以下の罰金

農地法第5条

農地を転用目的で売却、等

(転用目的権利移転)

都道府県知事の許可

市街化区域は農業委員会への届出

権利移転の契約が無効となる。

原状回復命令

3年以下の懲役または300万円以下の罰金


相続した生産緑地の売却(大阪市の場合)
 

「生産緑地」とは、30年間、農業をすることが義務付けされた「農地」のことです。

 

生産緑地に指定されると、固定資産税などの税金が優遇されますが、30年間は営農しなければならず、売却などの権利移転や、宅地などへの転用をすることができません。

 

通常、相続した「農地」を売却しようとする場合、「農地法5条の届出」をします。

しかし、相続した「農地が生産緑地の場合」、売却するためには、「生産緑地の制限を解除」してもらった後に、「農地法5条の届出」をします。

 

 

なお、大阪市では、農地法の届出は、大阪市経済戦略局に行います。

大阪市の農業委員会は平成28年10月に廃止され、農業委員会の業務は大阪市経済戦略局 産業振興課(農業担当)が行っています。

 

実際に申請する際には、事前に大阪市経済戦略局 産業振興課(農業担当)に電話連絡をしておく方が良いです。

 

 

大阪市経済戦略局 産業振興部 産業振興課(農業担当)

住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルオズ棟南館4階

電話:06-6615-3751  ファックス:06-6614-0190

 

生産緑地の制限の解除をしてもらうには、大阪市経済戦略局 産業振興課(農業担当)に対して、まず、

①「生産緑地に係る農業の主たる従事者証明の申請」を行い、次に

②「生産緑地の買取申出」を行い、
買取等がされなかった場合に、買取申出日から3か月が経過すると生産緑地の制限がはずれます。

 

その後に売却のための
③「農地法5条の届出」をします。

大阪市経済戦略局 産業振興課(農業担当)より「届出受理通知書」が届くと、農地の売却ができます。

 

 

具体的な申請手続きについては、次の通りです。

「生産緑地に係る農業の主たる従事者証明」の申請

大阪市経済戦略局 産業振興課(農業担当)に対して、「生産緑地に係る農業の主たる従事者についての証明願」添付書類と共に持参して提出します。

 

証明願の様式は、大阪市のホームページから入手出来ます。
➡大阪市ホームページはこちら

 

《証明願の記載方法》

  • 証明願の右上の「申請者」の欄には、相続人の住所氏名を記載します。
  • 「農業の主たる従事者であったことの証明を受けたい期日」は、被相続人の死亡日を記載します。
  • 「買取り申出をする生産緑地」は、登記簿を見ながら正確に記載します。
  • 「買取り申出の事由が生じた者」は、被相続人の住所氏名を記載します。

《添付書類》

  • 当該地の登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 公図 
  • 位置図(付近見取図)
  • 被相続人の 戸籍(除籍)謄本
  • 相続人の本人確認書類の写し(免許証、パスポートなど)
  •  委任状(代理人による申請の場合)
  • 当該地及び申請者の現住所と登記簿の住所が異なる場合は、住所の沿革を証する書面
  • その他市長が特に必要と認める書類等


なお、証明書類については、発行日から 3ヶ月以内のものが必要です。
原本と写し(コピー)を一緒に持参すると、原本を返却してもらえます。


なお、相続登記が未了の場合には、上記の添付書類に加えて、次の書類も必要となります。できれば、先に相続登記を済ませておくとよいでしょう。

《追加の添付書類》

  • 遺産分割協議書
  • 相続関係図
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 被相続人及び相続人の住民票(マイナンバー(個人番号)の記載がないもの)
  • 相続人の印鑑証明書

 

 

2週間以内に証明書が出来上がった旨の連絡

 

生産緑地の買取申出

大阪市経済戦略局 産業振興課(農業担当)から「生産緑地に係る農業の主たる従事者についての証明書」が出来上がった旨の連絡がありますので、「生産緑地に係る農業の主たる従事者についての証明書」を受領しに行くと共に、生産緑地買取申出を行います。


「生産緑地買取申出書」を添付書類と共に大阪市経済戦略局 産業振興課(農業担当)に提出します。

提出した日が生産緑地買取申出を行った日」(申出日)となります。

この「生産緑地買取申出を行った日」については、どこかにメモして覚えておいてください。
 

 

買取申出書の様式は、大阪市のホームページから入手出来ます。

大阪市のホームページはこちら

 

《買取申出書の記載方法》

  • 申出書の右上の「申出をする者」の欄には、相続人の住所氏名を記載します。
  • 「買取申出の理由」は、「生産緑地に係る農業の主たる従事者が死亡したため」の「ア」に丸印をつけます。
  • 「生産緑地に関する事項」は、登記簿を見ながら正確に記載します。
  • 「参考事項」の「買取り希望価格」は、自由に金額を決めて記載します。


《添付書類》

  • 当該地の登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 公図 
  • 位置図(付近見取図)
  • 「生産緑地に係る農業の主たる従事者証明書」
  • 被相続人の 戸籍(除籍)謄本
  • 相続人の本人確認書類の写し(免許証、パスポートなど)
  • 当該地及び申請者の現住所と登記簿の住所が異なる場合は、住所の沿革を証する書面
  • 同意書(当該地が他人の権利(抵当権等)の目的となっている場合。
  •  仮換地証明書及び仮換地図(区画整理区域内の場合)
  • 委任状(代理人による申請の場合)
  • その他市長が特に必要と認める書類等

 

なお、証明書類については、発行日から 3ヶ月以内のものが必要です。

原本と写し(コピー)を一緒に持参すると、原本を返却してもらえます。
 

相続登記が未了の場合には、上記の添付書類に加えて、次の書類も必要となります。できれば、先に相続登記を済ませておくとよいでしょう。

《追加の添付書類》

  • 遺産分割協議書
  • 相続関係図
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・原戸籍)謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 被相続人及び相続人の住民票(マイナンバー(個人番号)の記載がないもの)

 

 

買取申出日から1ヶ月以内に通知があります。

買取申出日から1カ月以内に、大阪市計画調整局から、当該生産緑地を「大阪市が買い取るか、買い取らないかの通知」が来ます。

(買い取らないという通知がされることが多いです。)

 

大阪市が買い取らない場合、大阪市のホームページで営農希望者に農地のあっせんを行います。

 

 

買取申出日から3ヶ月以内に所有権の移転(相続その他の一般承継による移転を除く)が行われなかった場合、生産緑地の制限が解除されます。

 

申出日から3カ月以内に何も連絡がなければ、申出日から3カ月経過によって、生産緑地の制限が解除となります。

生産緑地の制限が解除された旨の通知等は来ませんので、「生産緑地買取申出を行った日」申出日)を覚えておく必要があります。

 

 

農地法5条の届出

生産緑地の制限が解除された後に、農地法5条の届出をします。

売主と買主との共同申請です。

届出書の受理から2週間以内受理通知書の交付がされます。
この
受理通知書は、法務局で所有権移転登記を行うときの添付書類として必要となります。


なお、500㎡以上の土地(市街化区域)の場合には、開発許可が必要となります。

 

農地法の届出書の様式は、大阪市のホームページから入手出来ます。

大阪市のホームページはこちら

 

《添付書類》

  • 当該地の登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 公図
  • 位置図 (付近見取図)
  • 転用計画図(立面・平面図など)
  • 当該地の現況写真 
  • 届け出に係る農地が賃貸借の目的となっている場合には、その賃貸借につき農地法 第 18 条第1項の許可があったことを証する書面
  • 当該地及び申請者の現住所と登記簿の住所が異なる場合は、住所の沿革を証する書 面
  • 通行承諾書(袋地の場合)
  • 届出者の本人確認書類の写し(免許証、パスポートなど)
  • 届出者が法人である場合は、定款又は寄付行為の写し
  • 開発行為の許可書の写しまたは開発許可要否判定願出書の写し (500 ㎡以上の場合)
  • 委任状(代理人による申請の場合)

 

※上記以外に、個々に応じた書類の提出が必要な場合があります。
 

なお、証明書類については、発行日から 3ヶ月以内のものが必要です。

原本と写し(コピー)を一緒に持参すると、原本を返却してもらえます。

関連するページのご紹介

こちらのページを読んだ方には、下記のページもよく読まれています。ぜひご一読ください。
※下記のリンクから、本ページと関連するページのリンクを設定してください。

お気軽にお問合せください

司法書士    浅井由喜 です  
お電話でのお問合せはこちら
06-6777-6866
受付時間
9:00~17:00
定休日
土曜・日曜・祝日
(※事前予約で対応可能です)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

06-6777-6866

フォームでのお問合せ・相談予約は24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2024/3/31

「お役立ち情報」を追加しました。
2020/12/01
ホームページを公開しました。

あさい司法書士・行政書士
事務所

住所

〒542-0012 大阪府大阪市中央区谷町7丁目4番31号 大南ビル2階

アクセス

大阪メトロ谷町線「谷町六丁目駅」4番出口より徒歩3分/駐車場:隣と斜め前にコインパーキングあり

受付時間

9:00~17:00

定休日

土曜・日曜・祝日(※事前予約で対応可能です)