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特別寄与料について

特別寄与料とは

 以前は、長男の嫁が、どんなに義父の介護をしても、義父の相続人ではないので相続財産は何ももらえませんでした。

その不公平さを解消するために、民法改正により、特別寄与料の制度ができました。

 

無償の労務提供により、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした相続人以外の親族は、相続人に対して金銭の支払いを請求できる、とされました。

 

特別寄与料が請求できる要件は?

特別寄与料は、

①相続人以外の親族が
②無償で
③療養看護その他の労務の提供をして
④被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしたときに
⑤相続人に対して特別寄与料を請求できる

というものです。
 

では、一つずつ要件を見ていきましょう。
 

 

① 相続人以外の親族であること

親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族のことです。

 

養子縁組をしていない、被相続人の配偶者の連れ子は、請求権者に含まれます。

 

これに対して、内縁の配偶者やその連れ子は、請求権者には含まれません

相続放棄をした人、相続人の欠格事由に該当する人、廃除によってその相続権を失った人も、請求権者には含まれません。

 

また、親族の判断の基準時は、被相続人の死亡時です。

長男の嫁が、長い間、義父の介護をしてきたけれど、離婚をして、義父の死亡時には親族でなくなっていた場合、特別寄与料の請求はできません。
 

 


② 無償で行ったこと

特別寄与者が被相続人から対価を得ていたときは、特別寄与料の請求はできません。

被相続人が、労務の提供に対する貢献に報いるため、遺言や生前贈与によって財産を与えている場合には、無償とは言えないので、特別寄与料の請求はできません。



 

③ 療養看護その他の労務の提供をしたこと

特別寄与料が認められるのは、療養看護や家事従事といった「労務の提供」に対してです。

被相続人に対する「財産上の給付」は、対象となりません。



 

④ 被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしたこと

無償の労務提供によって、被相続人の財産を維持(減ることを防いだ)、または増加させ、労務提供者の貢献に報いることが相当と認められる程度の顕著な貢献(寄与)があったことが必要です。
 

特別寄与者の行為が財産上の効果と結びつかない場合、たとえば精神的な援助や協力だけでは特別寄与料は請求できません。

 

 

⑤ 相続人に対して特別寄与料を請求できる

相続人が複数いる場合は、特別寄与者は、相続人の一人に対して請求することもできますし、数人に対して請求することもできます。

ただし、相続人の一人に対して請求できる金額は、特別寄与料の金額に当該相続人の法定相続分又は指定相続分を乗じた額となります。
 

特定の相続人に対して、特別寄与料の全額を請求することはできません。

特別寄与者が、特別寄与料の全額について支払いを受けるには、相続分を有する相続人全員を相手方として請求しなければなりません。

 

権利行使期間

家庭裁判所に対する調停・審判の申し立ては、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月以内、又は相続開始の時から1年以内にしなければなりません。

権利行使の手続き

当事者間で協議が整わないとき、または協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して「特別の寄与に関する処分」の調停・審判を申立できます。

 

「特別の寄与に関する処分」については、寄与分における規定とは異なり、遺産分割手続きから独立しており、特別寄与者は、遺産分割に関する事件が家庭裁判所に係属していない場合であっても、家庭裁判所に特別寄与料の額を定めることを請求することができます。

特別寄与料の額の算定方法

家庭裁判所は、寄与の時期・方法および程度・相続財産の額・その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定めます。
 

療養看護型の場合、被相続人が「要介護度2」以上の状態にある場合の介護報酬が一つの目安になります。

(例)療養看護型の場合:介護報酬相当額×療養看護の日数×裁量割合(0.5~0.8)

 

なお、特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができません。
特別寄与料の支払いよりも遺贈が優先されます。

 

調停手続

当事者:
①申立人

相続人以外の被相続人の親族(ただし、相続放棄をした者、欠格事由該当者または廃除によってその相続権を失った者を除く。)

②相手方
被相続人の相続人、相続分譲受人、包括受遺者

 

調停の申立先: 
相手方(相手方が複数いる場合は、そのうちの一人)の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所
 

申立費用:
申立人1人につき収入印紙1200円 

(相手方または被相続人が2人以上の場合は、収入印紙1200円×相手方の人数×被相続人の人数)


申し立て必要書類:
①申立書1通およびその写しを相手方の人数分
②申立人・相手方の戸籍謄本
③被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本

民法

1050条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。

2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。

3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。

4 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。

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